旅の記録

マレーシア(ボルネオ島

マレーシア最高峰のキナバル山(4095m)に登る為にボルネオ島へ向かいます。
キナバル山は山小屋の予約と支払いを済ませてからでないと入山できないので、日本からステラサンクチュアリロッジにメールで問い合わせをして、価格交渉もこの時に行い予約と支払いまで済ます必要があります。
コタキナバル国際空港に到着しました。
ムルデカ広場前のバスターミナル(Padang Merdeka)
バスの出発まで時間があるので、お香専門店でいろいろな種類のお香を見学
「お茶ど」という日本茶のカフェを見つけました。OCHADOという響きは日本人からすると少し変ですが、意図的なものなのでしょうか?
ドリアンのパンケーキ屋さんを見つけました。日本ではまずあり得ない組み合わせですが、さすがマレーシアです。
日本のお菓子も売っています。
海岸沿いのコタキナバルの市場では新鮮な魚が並んでいます。
ドリアンが果物の王様ならこちらのマンゴスチンは果物の女王らしい。味は美味しいが、日本の桃が一番好き。
計り売りなのが日本と違います。
ドリアン屋さんのドリアンにもいろいろな品種があります。
翌日早朝からムルデカ広場からのバスにのりキナバル国立公園へ向かいます。
コタキナバルのイスラムモスク
山道を走って行くと左にキナバル山の迫力のある姿が見えてきました。
トイレ休憩で寄った休憩所でバナナを購入。日本のバナナよりもだいぶ小さいですね。
キナバル国立公園内を散策していると、トゲだらけの植物を発見。
熱帯の森にはヒルが沢山いるので、血を吸われないように注意が必要です。
熱帯の種は特大です。
植物の密度は濃いです。
キナバル登山の前にキナバル国立公園でトレッキングをします。
熱帯雨林の木々は生命力に満ち溢れています。
この日の宿はこちらのロッジです。キナバル登山は2泊3日の行程で行います。
こちらのロッジは1800m付近にあり少し標高が高いので血中酸素濃度が少し下がります。平地であれば98以上が正常になります。すでに94ですね^-^;
食事はバイキングで選び放題 標高の高い山に登るときに胃腸に負担をかけると酸素の消費が消化に回ってしまい、体調が悪くなるので登山中は食べるものを制限します。登山前の今のうちに沢山食べてパワーを蓄えます(グリコーゲンローディング)
翌日登山開始 ティンポホンゲート(1866m)からスタートです。
ティンポホンゲートにある売店で行動食を調達します。
カーソン滝
リス発見
血中酸素濃度90になりました。
キナバル国立公園で用意されたお弁当にこんな大きなチキンが入っていました。食べずにザックに入れてるのも重いので食べてしまおうと思いましたが、胃腸に負担がかかる揚げたチキンが良くないのは分かっていました。その後ペースダウンの要因になりました。
キナバル登山では定期的にこのような休憩所が登山道沿いにあります。
ラバンラタレストハウス(3272m)に到着しました。こちらが二泊目の宿になります。一泊目で1800mの場所に泊まっているので比較的高度に順応はしやすいです。
そうは言っても血中酸素濃度は78%にまで低下。結構悪いですね。
呼吸の仕方を変えて血中酸素濃度を上げます。登頂中に厳しくなったら普通呼吸から、呼吸法を使った呼吸に変えていく予定です。呼吸の仕方を意識的に変えると、血中酸素濃度は95%にまで回復します。ただ、呼吸法を使うのは意識しないと大変なので使わずに行ければ一番いいですが、高山病になりそうになったら使う予定です。
キナバル登山の装備 半そでTシャツ、長袖Tシャツ、キャップ
ヘッドランプ、トレッキングパンツ、防寒着のバラクラバと手袋、防水のスタッフバック
今回使用している靴は、AKUのスーパーアルプ
ドイターの軽量ザックとザックカバー
浄水器とサングラス こちらは使いませんでした。
ストック
深夜2時半から登山開始、月へ向かって頂上を目指します。
頂上でご来光を見る予定でしたが、間に合わず登山途中で日が登ってきましたが、とても綺麗な光景です。
セントジョンズピークの頂上に月が上ります。
頂上付近は溶岩が固まってできた山ならではの独特の地形が続きます。こちらはサウスピーク(3933m)
キナバル山にはいくつものピークがあります。こちらはセントジョンズピーク(4091m)
最高峰のロウズピーク(4095m)登頂
セントジョンズピークと水たまり
血中酸素濃度も71%、心拍数も100を越え、 高山病にはなりませんでしたが、体には負担がかかります。
尖ったピークの左側にドンキーイヤーズピーク(4054m)があります。
こんなに標高の滝場所でも花が咲いています。
マッシュルームピークの岩盤が崩落して落ちてきています。
食虫植物のウツボカズラが生えています。
400mの昇りと標高差2200mの長ーい下りを終えてコタキナバルの町に戻ってきました。登頂祝いに少しだけいいホテルに宿泊しました。イスラム教の国なのでホテル内にちゃんとメッカの方角も矢印で記されています。
翌日の宿はバックパッカー向けの安宿に変更、まだ帰国まで時間があるので、川下りと野生のテングザルを探しに行きます。
こちらの橋はサルも使用します。
テングザル発見。天狗の様に鼻が長い特徴的な顔です。
夜には別の場所に移動して大量のホタル観賞、船の上は揺れるし、蛍は動くしでうまく撮れませんでした。
宿に戻ってドリアンアイスクリームを食べました。ドリアンの味が濃くて美味しい。
宿に戻って翌日、作戦を考えます。ボルネオ島の西のグヌンムル国立公園に行くには滞在日数が一日足りない。国境を越えてブルネイに行くにも時間が少ない。そこで、何とか現地のシャーマン(呪術師)の方の話を伺えないかと考え、聞き込みを開始します。何故シャーマンに会いたいかというと、ネパールやフィリピンで出会ったシャーマンの方との体験がとても興味深かったからです。まずは、ネットで情報収集。ボルネオ島のシャーマンは「ボボヒガン」というらしい。病のある方などの治療をするようだ。
まずは、宿にいる現地の人たちに聞き込み。
「ボボヒガンに会いたいのですがどうしたら会えますか?」
「ボボヒガンは、治療のために各地を転々としているので簡単には会うことができないよ」というのが現地の方々の意見。
最後には体の調子が悪いなら西洋の医者に診てもらった方がいいとまで言われてしまった。
ボルネオ島では、病気になった時の治療は西洋医療とボボヒガンによる治療に分かれるようだが、西洋医療が主流になりつつあるようだ。
治療をしてほしいわけではないので、ひとまず情報収集のためにモンソピアカルチャービレッジというボルネオ島の歴史博物館を訪れました。
このモンソピアカルチャービレッジは、カダザン族というボルネオ島に住んでいた首狩り族の勇者のモンソピアを称えて、カダザン族の末裔の方が作った博物館になります。現在は首狩りの習慣はないようですが、民族同士の争いの際には敵の首を狩って持ち帰るのが風習だったようで、こちらの博物館にもその当時の大量の頭蓋骨が並んでいます。モンソピアはとても強かったそうで、カダザン族を守り続けたそうです。
そんな、モンソピアカルチャービレッジにありました。
なんとボボヒガンの皆さんの写真
ますます会ってみたくなりましたが、現在もいらっしゃるのでしょうか。
博物館の方に情報を伺います。
すると、こちらの館長がボボヒガンを知っているというのです\(◎o◎)/!
いっきに緊張してきました。
ボボヒガンの方がいらっしゃる連絡先を伺い、タクシー運転手の方にこちらへ行ってもらうように頼みます。
着いたのは、まさにボボヒガンの方の祈りの儀式についての展示を行っているカルチャービレッジでした。
こちらの木造の木柱は、人が亡くなった時にその人の持ち物の土地に建てる木柱という事です。
この木柱を立てて、ボボヒガンは3日間?寝ずの儀式を行うそうです。
そして、このカルチャービレッジの方々にボボヒガンについて聞いて見たところ、スタッフの一人が現代のボボヒガンだという事で、紹介していただくことになりました。
その前に、このカルチャーセンターではボボヒガンの仕事を演劇を通じて紹介していました。
まず演劇を見るとボボヒガンについてよくわかるので是非見てくださいという事で、ボボヒガンの仕事の演劇を拝見しました。なるほど、死者の供養もボボヒガンの役目の様です。
いよいよ演劇が終わりボボヒガンの方にお時間を頂きお話させていただくことになりました。

以下ボボヒガンの方との会話抜粋

質問:ボボヒガンになったきっかけは(ドイ) 以下回答

  • ある日不思議な夢を見た、夢の中でボボヒガンが現れて私に剣を渡す夢だった。とても印象的な気になる夢だったので、ボボヒガンの方にこの夢の事を話した。すると、ボボヒガンからこう言われた。あなたはボボヒガンに任命されたのです。
  • この日からその先輩ボボヒガンの元でボボヒガンに成るための修行の日々が始まった。
  • ボボヒガンに成ることはとても大変なことで、膨大な量のボボヒガンの秘密の知識を口伝によってすべて覚えなければならない。一切の書物がないボボヒガンの秘密の知識を全て学ぶのは大変な時間がかかる。私がお会いしたボボヒガンの方も現在も師匠について勉強を継続中だという。口伝でなければ伝えられない知識というのは密教においてはとても多いと感じます。このような世界の事は、もはや文字がないことも教える必要があるのでしょうから、文字ではないテレパシーで伝えなければいけない部分もあるのだと感じます。

ボボヒガンとは

  • 霊的なことを扱う職業
  • 病気に対して薬草による治療をする

ボボヒガンからのメッセージ 抜粋

  • 現代社会は、目に見えない世界、科学で証明できない世界の存在を忘れてしまっている。
  • 周りにある全てのものにスピリットが宿っていることを忘れてしまっている。
  • 今この瞬間にもこのテールの周りに沢山のスピリットを感じることができる。
  • 木にも石にも、山にもスピリットは宿っている。
  • キナバル山は先祖の霊が宿る山、登山をする際は敬意をもって登られるべき山です。何年か前にある旅行者がキナバル山の頂上付近で「立ちしょんべん」をする画像を撮影した。そのことに怒った先祖の霊(キナバルのスピリット)が山の大崩落を起こし登山者の方が亡くなった。この怒りを鎮める為に、地域のボボヒガンが全員集まり、生贄も捧げての、長い祈りの儀式をすることになった、スピリットの怒りが静まるまで続ける必要があったので、長い時間に及んだ。

キナバル山には登り終わった後でしたが、キナバル山はボルネオ島の方々にとって特別な山だという事がより深くわかりました。目に見えないものも大切にするというメッセージも頂きました。

ボボヒガンの方のメッセージも聞かせて頂き、後は帰国の飛行機までの時間をゆっくり過ごすのみです。海岸を散歩してから飛行場へ向かいました。
キナバル山は神聖で雄大な雰囲気を持つ素晴らしい山でした。登山の際は是非、山や地元の方々への敬意を持って登山なさってください。

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