レインウェアの選び方デザイン・サイズ

レインウェアを選ぶときどのようなデザインやサイズを選ぶと良いかについて

サイズについて

上着のサイズ

上着のサイズですが、腕を前に延ばしたときに手首のライン以上のものがよいと思います。

理由としては、雨具の一番の弱点は首周り(顔の部分)、手首周り、裾になります。

それ以外の場所からは雨は水としては入ってこないはずになります。

そうすると弱点である手首の長さが短いのはデメリットになります。

そのほか首周りですが、これはデザインではなかなかわかりづらい部分です。

ゴアテックスのような厳しいストームテストをクリアーした雨具は安心感があります。

裾については中にきている服が見えてしまいそうなほどみじかくなければ大丈夫です。

ズボンのサイズ

ズボンはまず、ウエストがきつすぎないこと、これは、実際に低温期の登山の場合はレインウェアの下に長袖やフリースをきてさらにズボンの中にそれらの上着を入れることがあるため少し余裕があるといいと思います。

裾の長さは、素足で着たときに地面につくかつかないか位の長さがベストだと思います。

ズボンの長さが短いと足を上げたときに雨が靴の中に入ってきてしまう危険があるためです。

ポケットやジッパーの作りについて

雨具の中にはレインウェアなのにジッパーが止水のものでなく、なおかつジッパーからの浸水を防ぐための生地の作りが完全でないものがあります。このようなものは注意が必要です。

レインウェアの防水素材の種類

レインウェアは外からの水を通さず、中からの湿気を外に出すために様々な素材を使用している。

以下は例

  • ゴアテックス
  • ゴアテックスプロ
  • ゴアテックスアクティブ
  • イーベント
  • ドライベント
  • ドライベントS
  • ハイベント
  • フューチャーライト
  • エントラント
  • などなど

いろいろな名前の防水素材が使われている。

では、レインウェアを比べるときになにを見て比べればいいのか

  1. メーカー公表のスペック
  2. 素材
  3. 機能に影響のあるデザイン
  4. 洗濯表記

などを参考に選ぶといいと思います。

もちろんデザインや企業理念で選ぶという選択肢もありますがデザインや企業理念は好みになってしまうので今回は省きます。

1.メーカー公表のスペックについて

各メーカーは通常、二つのスペックを公表しています。少なくともスペックの公表をしていないものは雨具ではない可能性もあるので危険かもしれません。

スペックには二種類あります。

  1. 耐水圧
  2. 透湿性

その他通気性のありなしなども表記されているかもしれません。

耐水圧について

耐水圧というのはレインウェアに水圧をかけたときにどの程度の圧力まで耐えられるかを示しています。

当然数値が高いに越したことはないのですが、耐水圧の数値が高くなると透湿性が低くなってしまう傾向があるので、むやみに耐水圧を上げればいいというものではありません。双方のバランスが大切になります。

耐水圧が20000mm以上は、普通の使用用途であれば、どのみち水が入らないことが多いのでスペック的な差は小さいと思われます。

この耐水圧は、表地や裏地の生地の厚みによっても大きく変わります。生地が厚ければ耐水圧は上がりますが、重さも増えてしまいます。雨具の性能はバランスが重要です。

透湿性について

透湿性とはどれだけの湿気をウェアの内部から外部へ放出できるかを表しています。

数値が高いほどウェア内部の湿気を外に逃がす力が強くなり、群れづらいということになります。

透湿性の数値は高ければ高いほどいいものですが、透湿性が極端に高いモデルは、生地が薄手になり強度が弱いものもあるので、強度を落としすぎず透湿性の高いものを選ぶと良いかもしれません。

耐水圧20000mm

透湿性20,000g/㎡/24h

のように表示されます。

透湿性と通気性の違い

紛らわしい話になりますが、透湿性と通気性は違うものです。

透湿性はウェア内の湿気をウェアの外に出す力になります。

通気性はウェアの内と外で空気が通るということです。

透湿性のみがあって通気性がないレインウェアの場合は生地が湿気を吸収してから外気に放出するという動きが生まれます。

通気性があるレインウェアでは、湿気がダイレクトに外に抜けていくのでタイムラグがないというメリットがありますが、外の寒気がウェア内部に浸透しやすいというデメリットがあります。

素材について

レインウェアの防水素材には主に二種類の素材があります。

  1. PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)
  2. ポリウレタン

この素材の違いによって機能の特徴が変わってきます。

PTFE

PTFEの素材を使った雨具の代表はゴアテックスレインウェアです。

その他イーベントなどもPTFEを使用した防水素材といわれています。

特徴としては、まず経年劣化に強いという特徴があります。

また、素材そのものが撥水するとも言われています。

2.ポリウレタン

ポリウレタンの防水素材は3年から5年で経年劣化し、防水層が剥離して防水性がなくなってきてしまう可能性があります。

PTFEに比べて安価な物が多い(例外はいくつもあります)

ポリウレタンを使用したものは着心地が柔らかく着心地がいいものが多く、3年事に買い換える方にとっては悪い雨具とも言いきれません。

また、ポリウレタンの商品は機能的な差が大きい印象があるのでよく吟味する必要があると思います。

特にポリウレタンを使用した商品には透湿性能に大きな開きがあるようです。

機能に影響のあるデザイン

機能に影響するデザインとして重要なパーツとしてジッパーがあります。

ジッパー部分の構造

ジッパーが止水ファスナーかどうか、水がファスナーから入らないように表や裏から防水の生地によって水の侵入を少しでも防ぐデザインになっているかはポイントになります。

ポケット内部の構造

ポケットの内部がベンチレーションとして使えるようにメッシュになっているもの、より防水性を重視して生地を二重にして水の侵入を防いでいるものなど、デザインによって機能が違っています。

ヘルメットをかぶった上からフードが被れるかどうかも違いがあります。

コードロックの形状も各社違いがあるので使いやすいものが良いと思います。

特にフードを閉めるコードロックとドローコードの数はフードのフィット間に大きく影響します。

その他のこととして、ポケットの位置も、ハーネスやロープを使用する人は高い位置にポケットがあるものが使いやすく、普段使い用としては低い位置にポケットがあるものが使いやすいと言われます。

レインウェアブランドが採用している、透湿性試験方法にはA1、B1、B2など様々な方法があります。採用する方法によって透湿性の値は変わるので、レインウェアがどの試験方法でどの値なのかもよくチェックする必要があります。B1はいい数値がでやすい。A1はいい数値がでにくいなど、実験している環境が違います。

ベトナム料理

カンボジア料理

ミャンマー料理

ハードシェルって何?

ハードシェルとは一般的に冬用のアウタージャケット・アウターパンツのことをいいます。

ハードシェルの特徴

ヘルメットの上からでもフードを被れる大きめのフードのものが多い
表生地の糸が太いものが多い40デニール以上のものが多い
顔の前のジッパーがより深く高いところまでくることによって顔を凍傷から守る働きを持った形状のものが多い
写真のハードシェルも鼻先付近まで覆われる
手袋をしたままでも扱いやすいようなパーツを使用することが多い
脇やウェアの前面などにベンチレーションを付けているモデルが多い(雪を想定しているので、防水性よりも温度調整に重きを置いている)※防水性がないわけではない(ほとんどのモデルでしっかりとした防水性がある)
スノースカートがついているモデルがある
ザックのウエストベルトをしなくても、冷気や雪が裾から侵入しづらい
スノースカートなどと呼ぶこのような生地が、腰回りについているものも多い
このようにスノースカートがジッパーで外れるモデルもある
ハードシェルのズボンには、雪除けのためにこのようなインナーゲイターを付けているモデルも多い
アイゼンをハードシェルに引っ掛けた時にハードシェルを破かないように裾の内側に太い糸(高デニール)を使用した生地を使っていることも多い

ハードシェルには以上のような特徴を持つものが多い

しかし、冬に出されたモデルにも上記のような特徴をあまり持たないものも少数ながら存在している。そのようなモデルに関してはレインウェアとの差は小さい可能性がある。

逆にレインウェアならではの特徴としては、なるべく軽量でコンパクトに作ろうとしている商品が多くなってきている気がする。

レインウェアのフードの形状について

フードを襟の所にしまえないタイプ
現在主流(2020年)
襟にフードをしまえる形状の物よりも軽量でコンパクトに作れる。
その他こちらの商品はヘルメットを被ったままフードを被ることができます。
ヘルメットを被った時に上からフードを被れないフードの小さなモデルもあるので、ヘルメットを使った上にフードを被る使い方をするかどうかもポイントになります。
襟にフードをしまえるタイプ
重量が増えてコンパクト性能が落ちる反面、襟にフードをしまえることにより、ウインドブレイカーの様な風よけとして使う際にフードがバタつかず使いやすい

レインウェアのジッパーの違い

止水ファスナー
水の侵入を防ぐために写真の止水ファスナーのような、特殊なファスナーを使用している雨具も増えてきた
しかし、止水ファスナーは完全防水ではなく、水の侵入が全くなくなるわけではないので注意が必要です。
止水ファスナーを開けると、内側に折り返し付きの浸水防止の生地がついているタイプ
止水ファスナーを開けると、内側に折り返しなしの浸水防止の生地がついているタイプ
止水でない普通のファスナーに生地を被せて、なるべく水の侵入を防ごうとデザインされた雨具
止水でない普通のファスナーに生地を被せて、なるべく水の侵入を防ごうとデザインされた雨具(ポケット部分)
ポケットも服の前面部のファスナーも全て止水ファスナーになっているモデル
こちらのモデルは下からもジッパーを開けることができます(ロープ使用の際など)
脇のベンチレーションも止水ファスナーになっているモデル
冬用のハードシェルに多く見られる機能です。
その他、一部の雨具にもついています(雨具は防水性を重視するのでついていないモデルも多い)
止水ファスナーのサイドフルジップタイプのレインズボン
突然の雨の際に靴を脱がずに雨具を汚さずにレインズボンが着れるサイドフルジップタイプの雨具を私は気に入って使っています。
サイドフルジップタイプでない一般的な雨具のズボンでは、雨具のズボンを着る際に、靴を脱ぐか、雨具の内側が汚れるのを覚悟で靴のままレインズボンを着るか、靴にビニールを被せてからレインズボンを着るかの選択肢になってしまいますが、フルジップのレインズボンはスムーズにレインズボンが着れるので便利です。
ただし、ジッパー部分が長くなるので、防水性能が若干落ちる点と動きずらさが加わる点には注意が必要です。
前面部のジッパーにはメーカーによって下からもジッパーが開くようにジッパータブが二つ付いているモデルもあります。

レインウェアの表地の選び方

レインウェアの表地について説明します。

デニールとは・・・1デニールは使用している糸を9000m伸ばした時に1gになることを意味しています。つまり、デニール数が大きいほど太い糸を使用しているので、出来上がる生地の強度も強くなります。当然生地の厚みや重さも大きくなります。

表地があるもの、ないもの。生地の糸の太さ、素材などについてお話します。

表地20デニールリップストップナイロン
20デニールの糸をメインに使い、等間隔にさらに太い糸を格子状に使って織り上げています。
リップストップは軽量化をはかりつつ、引き裂き強度を出したい時に使われる織り方です。
表地70デニールナイロン
70デニールの糸を使用しているので、とても強度が強い生地になります。しかし、重さは大きくなります。保温力も厚みがある分若干上がると思います。
こちらのウェアは冬用のハードシェルと言われている商品です。
冬用のハードシェルはレインウェアよりも強度を重視している傾向があります。
シェイクドライ
ゴアテックスのシェイクドライには表地は存在しません。ゴアテックスの生地にコーティングを施しているのみの商品になります。特徴としては、透湿性が抜群に高くなります。しかし、強度はかなり下がってしまうので使用用途は限定的になるかと思います。
買ったばかりの20デニールリップストップのゴアテックスの雨具に穴が開いてしまいました。リップストップのおかげか大きく引き裂かれることはありませんでしたが、穴が開いている状態です。
何かに擦った記憶もないのですが70デニールだったら穴はあかなかったかもしれません。
しかし、軽量性とコンパクト性は代えがたいので修理して使用します。
裏側から透湿性のある生地で補修しました。丸く切るのがポイントです。四角く切ると四隅から剥がれてきてしまいます。

現在の雨具は軽量化、コンパクト化が進んでいるので平均的な表地の糸は20デニールのものが多いです。

ただ、中には12デニールの物やシェイクドライの様に表地なしの物など、さらに軽量コンパクト性を追求した製品もあるので、選ぶ際はよく吟味をする必要があります。

レインウェアの表地に使われる素材の違い

レインウェアの表地には、大きく分けてナイロンとポリエステルのどちらかが使われています。

ナイロンが表地の物の長所

  • 軽量化しやすい
  • 耐摩耗性が高い
  • 染色がしやすい

ナイロンが表地の物の短所

  • 耐光性がポリエステルの物よりも弱い
  • 吸水しやすい

ポリエステルの表地の長所

  • 耐光性がナイロンの物よりも強い
  • 吸水しにくい

ポリエステルの表地の短所

  • 軽量化しにくい
  • 耐摩耗性がナイロンよりも少し弱いと言われることがある
  • 染色がしにくい