このページの写真のキノコたちは私が山の中で出会ったキノコ達です。
これらのキノコの一部に関しては現在分類されているキノコの名前を書いてみましたが、必ずあっているという保証はできません。何しろ種類は多いし、似ているキノコも極めて多数あり、顕微鏡で胞子の形を確認しないと判断がつかないものも多いです。もし間違いがございましたらご指摘いただけると幸いです。
また、野生のキノコには毒キノコも存在しております。むやみに野生のキノコを食べることには危険があります。お気を付けください。
キノコ好きが高じてキノコ検定1級を取ってしまったのは何年前の事だったでしょうか。キノコ達の世界は果てしなく深遠な世界です。美しいキノコの写真を是非見ていってください。
キノコの世界
そもそもきのことは何なのでしょうか?
キノコは植物でも動物でもない菌類に属する生物です。
※ひとつのこの世界において分類することは良いことではないかもしれませんが、話がしやすいのでそうします。分類とはある特徴を持つ部分の名称です。
菌類にはカビや酵母も含まれます。キノコというのはキノコを作る特徴のある菌にとっての花のような部分という事になります。
キノコはヒダや管孔という穴に、胞子という種のようなものを作って子孫を広い範囲に広げる為に存在しています。
日本の中で見ることができるキノコは約1万種類と言われています。
そのうちで名前がついているキノコが約3千種類と言われいます。
日本の植物の種類が約5600種類なのと比べるとその2倍近い種類のキノコがこの日本にいるのですね。
森の中でキノコを見つけても名前すらわからないことが多いのはその為です。
キノコにはある分類法によると大きく分けて腐生菌、菌根菌、寄生菌の3種類に分けられます。
自然界のサイクルの中で枯れた樹木を土に戻す働きをしてくれているキノコが腐生菌(シイタケなど)の皆さんです。
腐生菌は樹木の成分であるセルロース、ヘミセルロース、リグニンを分解します。
菌類が森の木々を分解してくれているおかげで、木々は生まれてから死ぬまでの循環を長い歴史の中で続けてくることができたのですね。
枯れた木々で溢れかえった場所では、今いる植物たちは思うように生長できないでしょう。
植物が絶滅したら人類もおそらく絶滅を免れることはできないでしょうが、菌類が絶滅した場合でも人類は絶滅を免れそうにありませんね。
2つ目の菌根菌(マツタケなど)はというと、植物の根と菌根というものを形成して、植物の根を乾燥から守り、窒素やリンなどの重要な栄養素を植物に供給します。逆にキノコは植物から成長に必要な養分を得るという共生関係を持っています。
窒素といえばタンパク質の原料ですし、リンはDNAやRNAの原料になります。
そう考えると私たちの体の一部もキノコが土から吸収してくれた窒素やリンでできているかもしれませんね。ありがたい。
最後の寄生菌(サナギタケなど)ですが、こちらは生きた動植物に寄生して養分を吸収し宿主にダメージを与えたり殺したりします。カビに多いタイプです。こちらも弱った生き物を土に還して新たな生き物が成長できるようにする役割を担っているようです。
個人的スケールで見ると憎い奴ですね。
ただ、大きなスケールで見ると寄生菌も生物の入れ替わりの循環の役割を担い地球生命圏の種の存続に重要な役割を担っているようです。
すべての生き物はこの地球の循環の中で繋がっており、それぞれの生物がそれぞれの役割を果たすことで我々は互いを生かしあっているのでしょう。
お互い意識せずとも世界を支えている存在なのですね。
小さなスケールでは、互いに争いあうように見える生き物たちも大きなスケールでは互いに支えあっているように見える。
キノコの世界にはそんな景色が広がっています。
土居 龍人